早期教育への関心は年々高まっており、書店にはたくさんの育児雑誌や教育本が並んでいます。教育に力を注ぎたいママにとって、日々の子育てに活用できる有益な情報には自然と目が行ってしまうでしょう。
そこで私が参考にしているのが、ニューズウィーク日本版の『0歳からの教育』シリーズです。

- 時代に応じた「今」のテーマを厳選している
- 科学的な知見に基づいた最新の情報がまとめられている
- 国内外の専門家の意見が反映されている
- 専門的な内容も分かりやすく解説されている
このブログでは、『0歳からの教育 -知育編・学習編- 』について特に興味深いと思った内容とその感想、そして参考になる関連情報について分かりやすく紹介します。
すぐに読める目次
0歳からの教育-Newsweek-とは
国際ニュースを扱うアメリカの『Newsweek』を、日本オリジナルの記事とともに日本人向けに編集した週刊誌が、ニューズウィーク日本版です。
そのニューズウィークから、SPECIAL EDITIONとしておおよそ一年に一度のペースで出版されている育児雑誌が『0歳からの教育』シリーズになります。
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0歳からの教育
ニューズウィークSPECIAL EDITION
赤ちゃんの発育発達や育て方・接し方について、最新科学に基づき丁寧に解説してくれるので、ママやパパにとって参考になる情報が満載です。
『0歳からの教育』の特徴
人気も知名度も高い乳児向け育児雑誌の大半は、著名人や読者の体験談・その時の流行といったものが雑誌の内容に大きく影響しています。そして教育というジャンルについては、触れられることがほとんどありません。
また、教育書という類いの書籍になると、詳しく説得力のある文章で書かれてはいるものの、執筆者の考えや主な研究領域が色濃く反映されており、情報が偏ってしまうことも少なくはありません。

しかし、『0歳からの教育』シリーズは国内外の研究報告を参考文献とし、赤ちゃんを取り巻く環境の変化にも考慮した内容となっています。根拠ある最新の情報を手に入れるためには、とても便利な情報誌と言えるでしょう。
0歳からの教育のメリット
- 時代に応じたテーマを扱い、最新の知見に基づき解説されている。
- 国内外の多くの専門家の意見が反映されている。
0歳からの教育のデメリット
- 幅広いテーマを分かりやすくまとめているが、より深い内容までは突っ込んでいない。
- 海外の事例も多く、文化やライフスタイルの違いから日本人には適していない部分もある。
情報が偏ることなく、広い視野を持って学べるというのは、親としても大変魅力的ですね。より詳しい情報が知りたいと思ったら他の文献を探せばいいので、そのための良いきっかけ作りともなるでしょう。
0歳からの教育「知育編」レビュー
2017年3月15日発売の『知育編』は、赤ちゃんが秘めた無限の可能性とそれを上手に引き出す方法が数多く取り挙げられています。
成長 | 小さな脳の驚きの成長パワー |
---|---|
免疫 | アレルギーを正しく怖がる |
睡眠 | すやすや眠らせる秘訣はどこに |
言語 | 言葉を覚える魔法のプロセス |
早期英語教育 | 楽しみながら学ぶバイリンガルへの道 |
指針 | テレビとiPadの視聴時間という難題 |
テクノロジー | デジタル時代の賢いおもちゃ選び |
家庭教育 | 子供の発達のために親ができること |
変化 | 「量より質」がパパの子育てのカギ |
習い事 | 賢く元気に育てる早期教育の極意 |
これは目次のごく一部です。他にもたくさんのテーマを扱っているので、興味があればチェックしてくださいね。
アレルギーを予防する方法
アトピーやアレルギーの発症を高い確率で抑える可能性がある方法として、「保湿剤を塗ること」が大切といわれています。
保湿の重要性については、当サイトの別記事に詳しくまとめていますが、今回改めて確認することができました。

赤ちゃんの皮膚はとても繊細で、大人の半分ほどの薄さしかありません。そのため、乾燥や摩擦により皮膚の防御機能が弱ってしまうと、アレルゲン(アレルギーの原因物質)が体内に入り込みやすくなってしまいます。
保湿によってアレルゲンの侵入を防ぐことができれば、その後のアレルギー疾患を防ぐことができるかもしれないというわけですね。
赤ちゃんのためのより良い眠りとは
睡眠の質を高める方法は、大人と赤ちゃんでは異なるようです。

たとえば大人の場合、より良い睡眠をもたらすためには認知行動療法が効果的と言われています。
認知行動療法の例:
- 寝室で明るい光や騒音を避ける
- 寝る前のカフェイン摂取は避ける
- 眠くなるまで就寝時間を遅らせる など
しかし赤ちゃんの場合、就寝時間を早めることが大切だそうです。
その理由として、「乳幼児は疲れ過ぎると興奮し、落ち着かなくなる」こと・「眠ったとしても、睡眠が途切れがちになる」ということが挙げられていました。
乳幼児の睡眠に関しては、様々な研究報告があるようです。以下、一部抜粋します。
- 夜9時以降に就寝すると、眠りにつくまでにより時間がかかり、睡眠時間の合計も短いことが分かった。
- 昼寝をする3歳児もしない3歳児も夜の睡眠時間は約10時間。違いは、昼寝をする子供は一日に数時間多く眠ることだ。
- 昼寝をする子供の方が気分が穏やかで社交的。
『0歳からの教育』知育編(2017年)p.35より
赤ちゃんの場合は、目覚めてから数時間で脳が眠りを要求します。心身の健全な発達のためにも、昼寝を含めて十分な睡眠時間を確保してあげたいですね。
睡眠トレーニング?
海外では「セルフねんね」が主流のようですが、我が家も生後1ヶ月が過ぎてからは寝かしつけが不要になりました。静かな環境に寝かせて一人にさせると、自然と眠ってくれるのです。夜泣きもありません。
特別トレーニングをしたわけではありませんが、早期からセルフねんねが習得できると、赤ちゃんの入眠時間は短縮し穏やかに眠ってくれるようです。
- 就寝までの流れを作る。
(決まった時間にお風呂→授乳→就寝というルーティーンになる。) - 毎晩必ず「おやすみ」と口にしてから離れる。
(「おやすみ」=「寝る時間」と認識させる。) - 寝室に寝かせて姿を消す。
(一人にさせるが、ベビーモニターやドアの隙間からこまめに様子は確認する。) - 大泣きしない限りは放置する。
(少しグズったくらいでは何もせず、様子を見る。)

これらを実践するうちに、寝かしつけを必要とせずに一人でも眠ってくれるようになりました。
早期英語教育のコツは?
幼い子供の脳は極めて柔軟性が高いため、複数の言語が日常的に使われる環境にあると、複数の言葉を話せるようになるようです。

ヨーロッパに住む私の友人らは、複数の言語を自由自在に操っています。特にスイス人は、3〜4カ国語を話せる人が多かったですね。スイスは地域によって使用される言語が異なり、ドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語を話す地域に分かれます。加えて英語教育は必須なので、日本の環境とは大きな違いがありますね。
- 2つ以上の言葉に触れて育つことで、子供が混乱する恐れはない。
- それぞれの言語に関して家庭で十分なサポートが得られれば、小学生の時点でバイリンガルとモノリンガルの語彙や言語水準に差はなくなる。
- 第2の言語について、対面もテレビ電話も同じような学習効果が得られた(ただし、DVD映像を見ることでの学習は進まなかった)。
- モノリンガルでもバイリンガルでも、生まれた直後からたくさん話しかけることが大切。
子供の最大の強みは、多少意味が分からなくても気にせず五感を研ぎ澄まし、感じ取ろうとする曖昧性の許容度が高いこと!間違いを指摘したり、日本語に訳して一から説明したりして教え込もうとする必要はありません。
日常生活で馴染みのあるシーンの要素が盛り込まれた歌や英語絵本などを選んで、楽しみながら学ばせてあげましょう。

私自身、これまでに3つの外国語を習得していますが、「幼い頃から外国語に対する苦手意識を持たないこと」と「外国語に触れる機会を多く作ること」の重要性を痛感しています。
- 子どもが生まれた時からとにかくたくさん話しかける。
- 映像を見せる時は、海外の乳幼児番組や映画(英語版)を見せる。
- 日本語と英語で読み聞かせを行う(ただし、2歳までは日本語を重視する)。
0歳からの教育「学習編」レビュー
2019年3月30日発売の『学習編』には、赤ちゃんの個性や興味・能力を上手に磨くための様々なヒントが紹介されています。
認知能力 | 赤ちゃんが脳に秘めた無限の可能性 |
---|---|
読書 | 親子で楽しむ絵本が知能の発達を促す |
メンタル | 困難に立ち向かう健全な自尊心を育む |
味覚 | ヘルシーな食事が大好きになるために |
症状 | 食物アレルギーは「食べて防ぐ」へ |
社会 | 子育てのジレンマは親のせいじゃない |
算数 | 理数系の能力を伸ばす日常生活の工夫は |
外国語学習 | 幼児英語のコツは歌と遊びと楽しい時間 |
音楽 | 子供がピアノ教室で挫折しないために |
本 | 自分で読書ができても読み聞かせは続けて |
これは目次のごく一部です。他にもたくさんのテーマを扱っているので、興味のある方はチェックしてくださいね。
親子で楽しむ絵本の選び方
絵本の読み書きかせが子供の知能の発達を促すことは、過去の様々な研究で確認されています。

我が家でも毎日20冊以上の絵本を読み聞かせています。月に2回ほど近隣の図書館に足を運び、貸し出し数の上限まで絵本を借りています。

また、絵本や児童書の試し読み・購入が可能な国内最大級の絵本情報サイト【絵本ナビ】も活用しています。一冊丸ごと試し読みができる本もたくさんあるので、是非チェックしてみてくださいね。
絵本の購入なら絵本ナビ
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スクリーンタイムの管理
デジタル端末やタッチパネルなどが溢れる世の中で、子供に画面の視聴を認めないことは、とても現実的とは言えません。
2016年10月、アメリカ小児科学会(AAP)も時代にそぐわない厳格な指針を改め、新たなガイドラインを発表しています。
- 2歳までの幼児は脳の発達や健全な親子関係のために、デジタルメディアに頼ることは望ましくない
- メディアを利用する場合は、「良質な番組を親子で見ること」・「子供が何に関心があるのかを理解するのに役立てること」
また、日本小児科医会は「子どもメディア委員会」の特設ページを設けています。メディアやスマホとの付き合い方に関する様々な資料が公開されているので、確認してみてくださいね。
公益財団法人 日本小児科医会
スクリーンタイムを管理しよう
子供の未来にテクノロジーが果たす役割を認識し、否定するのではなく、上手に活用できたらいいですね。
- 視聴時間に制限を設ける
- 食卓ではスクリーン禁止
- 子供と接するときは親もスクリーンから離れる
- 子供の行動をコントロールするためにスマホを使わない
- 寝室でメディアを使用しない
親子の直接的なコミュニケーションを大切にしながら、時代の流れに上手く対応したいものです。
- 親子で勉強タイムを作り、海外の乳幼児向け番組を一緒に見る(英語に触れる)。
- 子供に安心して見せられる番組を厳選する。
- 英語の映像は英語の字幕も付けて見る。
育児書・育児雑誌の活用法
『0歳からの教育』から興味深い内容をピックアップし、参考文献や自身の感想を交えながら紹介しましたが、読み応えのあるテーマは他にもたくさんありました。

私も、育児雑誌や教育本はたくさん読んでいますが、その内容が自分の子どもや家庭に最適かと言えば、そうとは言い難いものも当然ながら存在します。大切なのは、多くの情報の中から必要なものを選ぶこと。そして、それぞれの家庭らしさと上手く融合させることだと思います。
本や雑誌を読むことで、アイディアや選択肢が増えるのは素晴らしいことですよね。『0歳からの教育』は幅広いテーマを扱っているので、特に気になった研究報告はさらに追求して調べてみたいと思います。
皆さんも是非、参考にしてみて下さい。