子どもの好奇心をくすぐり、親子で楽しむことのできる絵本は、子育てや知育において欠かせないアイテムの一つです。
まだ1歳に満たない赤ちゃんでも、絵本が早すぎるということはありません。0歳への読み聞かせ効果は、様々な研究において実証されています。
今回は、NHK Eテレ「すくすく子育て」の放送『どう選ぶ?子どもの絵本』(2019年放送)をはじめ、様々な参考文献から重要なポイントを抜粋し、赤ちゃんと絵本を楽しむコツやその効果を高める方法について解説したいと思います。
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赤ちゃんへの絵本の読み聞かせ効果
絵本の読み聞かせが、子どもの知能発達に良い効果をもたらすことは、子育て界の常識ともなっています。
最近の研究では、絵本が子どもの言語・認知能力の発達に大いに役立つということも分かってきました。
- 語彙が増える
- 自分で本を読むための下地ができる
- 親子のやりとりが増える
また、乳幼児期における絵本の読み聞かせが、その質・量が十分である場合、子どもの語彙力・読解力・自分の名前が書けるかどうかと相関があることが確認されています。
ニューズウィーク日本版
『0歳からの教育』より一部抜粋
0歳への読み聞かせ効果を高める方法
赤ちゃんへの絵本の読み聞かせを3ヶ月間行った研究では、0歳児に周囲の事物を名前で認識する能力があることが分かりました。
実験室で赤ちゃんにあるキャラクターを見せると、そのキャラクターに名前がついた絵本を読み聞かせ続けた赤ちゃんだけが、キャラクターに強い関心を示すという脳の活動が見られました。
まだ言葉を話さない赤ちゃんでも、興味・関心を持って絵本を見てくれるんですね!
では、読み聞かせの効果を高めるために親ができることは具体的にどういったことでしょうか。
1. 成長に合わせて絵本を選ぶ
幼児向けの絵本なら何でも良いわけではありません。絵本に記載されている推奨年齢は絶対ではありませんが、子どもの成長に合わせて最適な絵本を選ぶことが大切です。
2. キャラクターに着目する
絵本に登場するキャラクターに名前がついていると、子どもの関心度にも知能の発達にも明らかな効果があることが実証されています。
キャラクターに名前がついていると、親から子への語りかけがより活発になるため、学習効果も高まるといわれています。
リサ・スコット(フロリダ大学心理学部准教授)より

『すくすく子育て』どう選ぶ?子どもの絵本
さらに詳しくみていきましょう。
多くの絵本の中から、子どもにぴったりの絵本を選ぶにはどうしたらいいのでしょうか。NHK Eテレすくすく子育てでは、そんな疑問に分かりやすく解説してくれました。
- 歌のように耳に響く言葉
- シンプルではっきりとしたデザイン
- 親子でやり取りができるもの
まだ言葉の分からない赤ちゃんでも、パパやママの声が柔らかく響くことで安心し、喜んでくれるようです。
また、暗いお腹の中にいた赤ちゃんの視力は、生まれてから少しずつ発達していくものです。細かく描かれた絵は識別が難しいので、シンプルで分かりやすく、はっきりと描かれたデザインのものを選びましょう。
しかけ絵本やクイズ絵本など、親子でやり取りができるような絵本もおすすめですね。
0〜1歳 おすすめ絵本
番組内で大豆生田啓友先生(玉川大学教授/乳幼児教育学)が紹介された0〜1歳向けの絵本は、『ぽんぽんポコポコ』です。
『ぽんぽんポコポコ』のおすすめポイント
- 「ぽんぽん」という破裂音のような言葉が多く、赤ちゃんの耳に音が飛び込んでくる。
- 繰り返されるフレーズで、子どもとのやり取りを楽しむことができる。
- まだはっきりとものが見えない赤ちゃんでも、シンプルな絵を楽しめる。
絵本に興味を持たせるには?
まずは、赤ちゃんが絵本の何に興味を示しているのか、じっくりと観察することが大切です。
- 赤ちゃんはまだ言葉が分からないので、大人とは注目するポイントが違います。
- 赤ちゃんが夢中になっているシーンやページを覚えておき、繰り返してあげたり、同じ気持ちになって読んであげましょう。
言葉が分かる大人は文字を追ってしまいますが、赤ちゃんは絵本に描かれた絵や、ママの声(音)を楽しんでいます。
また、特定のページに興味を示したり、それ以外のページには興味を示さなかったりするのも、立派な意思表示。すべてのページを無理に読む必要はなく、赤ちゃんが喜ぶ絵本や気に入ったページを一緒に楽しんであげましょう。
絵本を読む3つのポイント
小さな頃、ママやパパに絵本を読んでもらったという楽しい思い出は、その人に愛されていたという実感として残っていくそうです。
- 親子のコミュニケーションツール
- 想像力をつちかう
- 学ぶ意欲につながる
また、絵本の読み聞かせは子どもの好奇心をかきたて、その後の学ぶ意欲につながっていくと言われています。
実践!我が家の絵本活用法
絵本が大好きな娘は、毎日10冊以上の絵本を楽しんでいます。そこで、赤ちゃんが絵本を楽しめるように工夫していることや、効率的な絵本の探し方・選び方について紹介しましょう。

絵本の探し方・選び方
毎日読み聞かせる絵本を、すべて購入するのは大変ですよね。
図書館で借りる
図書館には、対象年齢別にたくさんの絵本が用意されています。定期的に借りることで、たくさんの絵本に出逢うことができ、赤ちゃんも飽きずに楽しむことができるでしょう。

我が家は2週間に1度のペースで図書館に行き、毎回貸出の上限数まで絵本を借りるようにしています。無料でたくさんの絵本を試せるので、子どもの好みもだんだん分かってきますよ!
雑誌の付録に注目する
育児雑誌の付録として簡易的な絵本が付いてくることも多いですね。月齢・年齢に応じて様々な工夫が施された付録なので、赤ちゃんもきっと気に入ってくれるでしょう。
例:ひよこクラブ( 最新号のご紹介)

無料プレゼントに応募する
たとえばベネッセでは、お誕生記念プレゼントとして赤ちゃんの名前・生年月日が表紙に入った「お名前入りえほん」を全員無料でサービスしています。

また、乳幼児向け通信教育の資料請求をすることで、無料体験教材を受け取ることもできます。こどもちゃんれんじなら、大人気キャラクターしまじろうの絵本が特典になっていることも多いですよ!
定期配送サービスを利用する
海外の絵本を翻訳出版している株式会社ワールドライブラリーは、子どもの成長に合わせて月額1,000円で定期的に絵本を配送するサービスを提供しています。
世界30ヶ国、95タイトル以上のタイトルの絵本を所有しており、様々な国の文化や考え方にふれて国際的な感覚を養うことができるのも大きな魅力です。
100円ショップで購入する
100円ショップでも赤ちゃん向けの絵本を販売しています。
写真はダイソーで購入したものですが、ページ数の少ない簡易的な絵本でありながら、厚紙でしっかりと作られており、内容にもこだわりが感じられます。
厳選して絵本を購入する
絵本を購入する場合は、赤ちゃんが長く楽しめるように以下の点を参考に選んでみましょう。
- 赤ちゃんが興味を示す絵本
- 客観的な評価が高い絵本
- 専門家が薦める絵本
- 一緒に遊べる「しかけ」絵本
せっかく購入しても、赤ちゃんが楽しんでくれなかったらもったいないですよね。好みもありますが、高い支持率を誇る絵本なら外れがありません。
絵本ナビは、絵本や児童書・絵本キャラクターグッズのご紹介や販売をしている大人気の絵本情報サイトです。月齢・年齢別の人気絵本が一目で分かるだけでなく、試し読みもできるので、自宅にいながらじっくり検索することができるでしょう。
ランキングやレビューも閲覧できるので、絵本選びに役立ちますね。
0歳におすすめの絵本
シリーズ累計185万部の大人気ロングセラー絵本です。月齢の低い赤ちゃんでも注目する様々な工夫が施されています。
布製の絵本はボロボロになることがなく、手洗いも可能なので衛生的です。赤ちゃんが好きなシャカシャカ音も鳴るので、一人遊びにも使えます。
赤ちゃんが大好きな登場人物たちが、たくさん飛び出してくるしかけ絵本です。 ページが上に大きく開くので、ダイナミックなしかけに赤ちゃんも大喜びでしょう。
TBS「マツコの知らない世界」でも紹介された『ごぶごぶごぼごぼ』は、落ち着きのない子どもでも静かになるという魔法の絵本だそうです。
くもん出版による、英語やひらがなを勉強するためのカードシリーズです。絵本ではありませんが、絵本(紙芝居)のように楽しむこともできます。

絵本を楽しむための工夫
同じ絵本でも読み聞かせのたびに少し工夫することで、赤ちゃんが飽きることなく楽しむことができます。
- 抑揚をつけて読む
- 絵に合う言葉を付け足して読む
- 問いかけながら読む
- キャラクターに名前をつける
- 登場人物を子どもの名前にして読む
- フラッシュカードのように使う
赤ちゃんが喜ぶ音を付け足して読んだり、登場人物を赤ちゃんの名前に変えてあげたりすることで、より興味を持ってもらえると思います。
絵本は親子の大切なコミュニケーションツールです。楽しく継続していくためにも、赤ちゃんが喜ぶように工夫してあげましょう。
